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人事・労務相談

お問い合せが多いご相談事例を以下にまとめてみました。ご一読ください。

当医院では就業規則を作成しており、自ら退職を希望する者は3ヶ月前までに願い出ることと取り決めております。2月末日にパートタイマー勤務のA看護婦が、3ヶ月後の5月末日に退職したい旨の届けがあり受理いたしましたが、このたび突然本人の都合で4月末日に退職を早めたいと願い出てきました。この場合、4月末日の退職を認めないといけないのでしょうか?

就業規則は、使用者が書面に作成し明文化した職場の決まりごとです。従業員は常日頃より就業規則を遵守し労働しなければなりません。しかし、民法627条では、労働者は契約期間の定めのないときは、原則として、いつでも2週間前の解約申入れによって退職できる、としており、2週間前の退職届の提出は認めざるをえないでしょう。
なお、A看護師が期間の定めのある有期契約のパートタイマーの場合は、一定の場合を除き、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、いつでも退職することができるとする暫定措置が2006年12月末まで認められています。
1年を経過する以前の途中解約については、民法628条において、やむを得ない事由がなければ、途中解約ができない、と定められています。

また4月末日に退職を早めたいと願い出てきましたが、逆に、次に雇い入れる方の新規採用を早めたいので、いますぐA看護師に退職していただくことは可能でしょうか?
双方の話合いで両者合意のうえ労働契約を解除(退職)することは問題ありません。ただし、医院の方から一方的に解約すること(解雇)はできません。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となるためです。
パートタイマーのB看護師には、昨年まで週2日の契約で勤務してもらっていましたが、今年1月より週4日勤務していただけるという条件で、昇給を行いました。しかし、最近何かと理由をつけて週2~3日しか勤務しないので、時給を昨年と同額に下げたいと考えております。可能でしょうか?
基本的には可能だと思われます。これまでの週2日勤務から週4日勤務になるということは、仕事の内容や責任の重さも当然変わり、それに見合った賃金にするために昇給したのであると考えられます。しかしながら、実際には週4日勤務ではなく、週2日勤務であるならば、仕事内容や責任が変更前に戻っていると考えられ、それに対応する時給に戻すことには合理性があると言えます。
年内に医院の開業を予定しています。はじめて従業員を雇った場合、労基法では、労働者を使用する場合、労働者名簿などの所定の書類を医院に備えておくよう 定められていますが、備えておくべき書類とはどのようなものでしょうか。

労働基準法では、ご質問の「労働者名簿」や「賃金台帳」の調製が使用者に義務付けられています。労働者名簿には、労働者の氏名・生年月日、履歴、性別、住所、雇入年月日、退職(または死亡)の事由(原因)・年月日などの事項、および30人以上の労働者を使用する事業では従事する業務の種類を記入し、適宜訂正しなければなりません。賃金台帳には、氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜労働の時間数、基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額、賃金の控除額を記載する必要があります。また、常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則の作成および行政官庁への届出が必要になります。加えて、使用者は、労働者名簿、賃金台帳および雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければなりません。なお、新たに人を雇用した場合に必要なこととして、労働・社会保険や税(所得税)の手続き等があります。それぞれ法律で手続や書類等の保管に関する事項が定められております。

私の医院では、従業員のほとんどがパートタイマーです。近々数名が退職したい旨を申し出てきたので、新たに数名採用し従業員が10名となりました。従業員が10名以上の場合には、就業規則を作ら(労働基準監督署に提出し)なくてはならないと聞いております。しかし、現在は一時的に10人以上の従業員を使っていますが、まもなく10人未満となります。このような場合でも就業規則を作り提出しなければならないのでしょうか。

労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者は一定事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないと規定しております。ここで言う「常時10人」というのは、常態として10人以上を使用しているとの意味であり、一時的に10人以上になることを指しているものとは考えられません。したがって、ご質問のケースでは、就業規則を作成する義務はないと解されます。

今年の7月に2名の従業員を採用しました。雇い入れ後、1カ月たちましたが、そのうちの1人はどうも適性がないようで仕事に熱意が感じられません。試用期間中ですので医院としてはその者を適性のない者として解雇したいのですが、この場合どのような解雇方法の手続きをとらなければならないのでしょうか。
試用期間とは、労働者の能力や適格性を判定するための期間であり、社員として不適格と認められるときは解雇できる解約権を留保されたものであると考えられています。つまり、本採用後の解雇より緩やかなものですが、無制限に認められているものではありません。能力や適性の欠如を理由とする事案においては、本採用拒否の客観的かつ合理的な理由が必要であり、それを立証することが求められており、それが極めて困難だからです。一般的には、注意・指導を繰り返したが改まらないという事情があれば、本採用拒否も有効と判断される可能性が高いと考えられます。また、ご質問の方は勤続1カ月を経過しておりますので、30日前に解雇を予告するか解雇予告手当を支給するかの何れかが必要になります。
私の病院では、この程2名の欠員が生じましたので、ハローワーク(公共職業安定所)に相談したところ、足に障害のある女性と61歳の男性を紹介されました。就職困難者や高齢者を雇用した場合、助成金が支給されるということですが、この助成金について教えてください。

ご質問のように、助成金にはある特定の条件を満たした労働者を雇用する事業主に対する助成金が種々あります。とりわけ今年は、いわゆる「改正高齢法」が施行されたことにより高年齢者雇用に関する助成金に関心が集まっています。高年齢者雇用に関する助成金については、1.継続雇用制度奨励金(第Ⅰ種)、2.多数継続雇用助成金(第Ⅱ種)、3.雇用確保措置導入支援助成金(セカンドキャリア助成金)、という三つの制度からなる「継続雇用定着助成金」があります。同助成金は、65歳以上までの定年引上げや、継続雇用制度の導入および定年の廃止を行った事業主を対象としており、高年齢者を雇用すれば無条件に支給されるものではないことに留意が必要です。また、障害者雇用に関しては、雇用するだけでなく、会社施設の設置・整備に対する助成も行われています。高年齢者および障害者雇用に関する助成金の詳細については、社団法人 大阪府雇用開発協会(電話:06‐6346‐0253)までお問合せください。